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更新報告兼ぼやき。腐女子の戯言ゆえ要注意。拍手・メルフォレスも此方で。
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深い意味はありませぬ。




 しとしとと雨が降る。
 街路に落ちて跳ね上がる雨粒を見ながら、カーマインは立ち上がった。

 緋色のジャケットを身代わりに置いたまま。


 暫くして、居間に顔を出したゼノスは、出来立てのスープが入った鍋を手にしたままキョロキョロと辺りを見回した。
 先ほどまで、確かに其処に在った筈の姿が見えない。
 鍋敷きの上に美味しそうな湯気を燻らす鍋を置き、いつも彼が座る椅子の背に緋色のジャケットが引っかかっている事に気がついた。
 窓から外を見やれば―――

 天(あ)に手を広げ、落ちてくる雫を甘受するかのような細い体が目に入った。
 漆黒の髪を濡れるに任せ、つ、と、細い雫が頬を伝い落ちる。

「…おまっ…! 何やってんだよ! 風邪引いちまうぞっ」

 大きく窓を開け、ゼノスが叫ぶ。

「…何も? 気持ちイイからさ。ゼノスもやってみれば?」

 此方の心配など意にも介さず、まるで気紛れな猫のように彼は目を細めた。
 全くこの恋人と来たら、いつもいつも予想だにしない事を平気でやってのける。
 大きく息を吐いて、ゼノスは外に飛び出した。


「…ああ。こんなにびしょ濡れになっちまって…」

 ぽたぽたと滴り落ちる水滴が、玄関マットを重い色に染める。
 ガシガシと乱暴に濡れて光る黒髪をバスタオルで拭いてやれば、悪戯っ子のように口の端を小さく歪めて笑った。

「水も滴るいい男、だろ?」
「…あのな…」
「ゼノスも濡れてこいよ。そしたら、もっと格好良くなるかも、な?」

 ぺたりと未だ水滴を零す細い手が、日に焼けた肌に伸び頬を撫でる。

「俺は今のままでも十分いい男だから遠慮しておくぜ」
「へぇ。凄い自信」
「だから、さっさとシャワーでも浴びて来い。この悪ガキが」
「…悪ガキ、ねぇ。そんなこと言われたの初めてだよ」
「じゃあきっと、誰もお前の本性に気付かなかったんだろうさ。見ろ、お前のせいで上出来のスープが冷めちまったじゃねぇか」
「ああ、それは一大事だ」
「お前が出てくる頃には、もっと美味く仕上げておいてやるよ」

 そう言って満面の笑みを見せるゼノスを見上げながら、
 この男には太陽しか似合わないのだろうな、と、カーマインは思った。


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日々これ妄想して活力にしてます。
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